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 東証二部上場《3528》プロスペクトは、ロシア極東林業大手のRFPグループと木質ペレット製造事業で提携を発表するなど、動きがでてきているものの、株価は全く冴えず。7月3日の終値はまた年初来安値の48円に値を落とした。

ここから始まった


プロスペクト7/3 2年日足



 日足の2年チャートだ。初動は、2016年12月初旬のIRで従来の1円配当から3円配当へUPすることで43円の株価から大きく窓を開けてスタートし、RFPグループとの覚書締結や、2017年1月のアドバイザリーボード設置発表、そして同社長であるカーティス・フリーズ氏がファンドマネージャーを務める英国のプロスペクト・ジャパン・ファンド(以下、TPJF)の買収協議を発表するなど波に乗っていた。

TPJF買収の裏


 業績寄与の期待等から買われていたものの、そのM&A手法が元TPJF側の株主にプレミア付きで株式を発行する(英国ファンド側株主が優位になる条件)株式交換が採択されたため、事実上の「大規模な希薄化」が起こった。

 これに便乗したアセットマネジメント機関もある。Weiss AMはこのプレミア株式交換が発表された1月から突如TPJFの株式を買い集め、見事にプレミア株を手に入れた。これと同時にクレディ・スイスなどの空売り機関を使い、高値圏で空売りを仕掛けていた。これが実に見事な戦略で、保有分はプレミアが付いているからどんどん売っても利益がでる状態で、更にそのプレミア株を売り込むことで株価が下がるので、空売り分で更に大儲けができたわけである。NYKはこの時の外国資料も全て保有しており、東京証券取引所に報告された各機関の空売り分などと照合し、合致していることを確認済である。WeissAMだけではない。CGや1607といった他のTPJF大株主もプレミア株券を市場で売り捌いた。

 これにより、一時104円まで値を伸ばした株価は半値程まで下落し、その後、配当4円に修正などの好材料出現でも、この時の大規模希薄化の影響の響き、上昇に上から圧がかかった。

信用買い残は多すぎる


 しかし、機関がこれほどの量を空売りできたのは「信用買い残」の多さが一番の理由だ。先日、執筆しUPした「信用買い」=「機関様、空売りしてください」で詳しく説明しているが、信用買い建て分は、現物保有とは異なり、証券会社又は日証金名義となる。空売り機関はこの株を証券会社などから借りて空売りを仕掛けるわけだ。

 本日発表された6月22日時点での信用買い残高は4629万7000株。配当落後に減少傾向が続いているが、まだ多い。本当に株価を上げたいのであれば投資家ひとりひとりが信用で株を持つことの意味をよく考えることが大切だ。

 現状は前回安値であった49円を割り込んでしまったことは正直痛いだろう。週足をみても完全に下降トレンドだ。2016年12月に大きく窓が開いているため、このままズルズルと下降するようなら、43円の窓を埋めにいく可能性も否定できなくなってきた。

事業は良い


 しかし、プロスペクトは太陽光に加えバイオマスに参入した再生可能エネルギーの好調、マンション分譲の復調、子会社機動建設の国内外での活躍、ササキハウスのZEHなど行っている事業内容は悪く無い。

 謎は買収したTPJFの保有株にある。福島県内の第二地銀である福島銀行と大東銀行の両行の株式を2割近くまで保有をすすめたProspect Asset Management(報告者)。同じ県内の地銀とあって両行の経営統合などのウワサも一時流れていたが、何の音沙汰も無いどころか、福島銀行は経営が傾き、前期無配化し、社長交代で新社長に東邦銀行出身者を据えるなど、意図していない方向に進んでしまったのではないかとも推測できる。

 この福島県内地銀の保有目的の明確化が必要だ。そして、シャクリーグローバルグループや長野銀行の保有理由もいまひとつはっきりしない。カナダで木材ペレット流通大手のPinnacle Renewable HD株の6%超えの保有も明らかにしたが、その保有目的とその後の動きは開示が無い。

希薄化を嫌気


 足元では、株主総会で決議された発行可能株式数を現発行株数の約4倍にあたる17億株超えにしたことで将来の希薄化への懸念から売り物が多くなっているとみられる。ただ、例え実際の発行株式数が14億株程度に増えたとしても、それ相応の利益が「継続的」に生み出せるのであればなんの問題も無い。

プロスペクトに足りないもの


 今のプロスペクトに足りないものは「宣伝力」と「計画の開示」だ。自社又は子会社でも良いが光る技術があれば、それを「宣伝」すべきであるし、メディア露出なども株価対策には良い効果を生む。投資家は「わからない」ことを嫌うのだ。
 同社はアセットマネジメント事業などの観点から具体的な業績予想の開示を行っていないが、これは誤解を招かないために許容できる。だが、5ヵ年計画などの大まかな計画、目指すものは何なのか、どのような成長曲線を描くビジョンなのかなどは提示できるはずだ。そういった、きちんとした目標を策定することも非常に大切だ。

まとめ


 NYKは、プロスペクト社には先見性があるとみている。だが、投資家に情報を多く与え、新規の投資家を募るようなビジョンの開示などに力を入れれば株価もおのずと反応するのではないだろうか。プロスペクトの時間軸は「長期」。短中期で儲けを狙う信用買い建ては時間軸が合致しないかもしれない。
 
 ※当記事は投資を斡旋するものではございません。投資は全てにおいて自己責任で行いましょう。
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【2018/07/03 23:55】 | 日本株・日本経済
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