◆各利益(損失)の意義
・営業利益=売上高から人件費等のコストを差し引いたものがこれ。「本業」のみで稼いだ利益を表す。売上高が良くても、経費がかさめば営業利益は少なくなる。
・経常利益=営業利益に営業外収益を足して、営業外費用を差し引いたものがこれ。会社の「事業全体の利益」を表す。本業が順調でも、借入金の返済等が多いと損失に。
・当期純利益=経常利益に、本業とは関係の無い特別利益や特別損失を足し引きし、税金を差し引いたものがこれ。最終的に会社に残るお金。
◆どの利益(損失)を重要視するのか
一番重要視すべきは「経常利益」である。
営業利益は本業の業績のみに左右されるが、経常利益は会社の資産運用や借り入れなど、事業全体にかかわる損益だからである。
つまり経常利益が赤字である場合、その企業に危険シグナルが灯っていると思えば良い。
純利益や営業利益が赤字でも経常利益が黒字であれば、その企業は業績の回復が見込めるのである。
どの損益も重要ではあるが、敢えて重要度の順位付けをするのであれば
①経常利益
②当期純利益
③営業利益
の順番である。
◆では実際に平成29年3月期連結の【3528】プロスペクトの決算報告書を見てみよう。
営業利益は4300万円のマイナスと赤字計上しているが、経常利益は5億1600万円の黒字を叩き出し、当期純利益も4億8800万円の黒字計上。つまり、本業が不調で営業利益こそ今回は赤字であったが、経常利益面で大きく収益を計上したので、当期純利益面から見ても好決算と言える。更に営業利益に対し大きく上回る経常利益を計上しているので、今後の本業績回復、増収増益が大いに期待できる企業と言える。
※当該ブログは投資を斡旋するものではございません。各言葉の意義、数値の正確性については万全を帰しておりますが、必ずご自身でご確認ください。投資はすべてにおいて自己責任となります。
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