自民党総裁選
2021年9月29日開票の自民党総裁選挙は、4人の候補が争う事態となった。いち早く、菅首相との一騎打ちを打って出た岸田文雄前政調会長(前外務相)を筆頭に高市早苗前総務相や、河野太郎氏、野田聖子氏らが立候補。
そんな中、国民や事業者の一番の関心はコロナ禍における「公助による生活・資金の安定」にある。菅義偉政権(副総理=麻生太郎氏)は約1年間もの時間が過ぎゆく間”超限定型”の政策ばかりを打ち出し、多くの国民、事業者から反感を買い、自民党自体を窮地に追い込む事態にまで発展してしまった。そこで、今回は「経済対策と財政出動」をテーマに執筆していきたい。もちろん、総裁選はこのテーマのみで決まるわけでは無い。
日本、対外純資産356兆円超えで30年連続世界首位
さて、日本は対外純資産356兆9700億円で世界最大となり、30年連続で世界1位となった。積極的財政出動が求められる日本で、プライマリーバランス黒字化という時代に逆行する施策を掲げ緊縮財政路線を歩む現政権姿勢はまさに時代遅れと言える。さらに、国債発行に関して”国民の借金”などと真意と異なることを発言するレベルの政府に呆れ声もでている。「自分の金と勘違いしているんじゃないか?」などという声も聞こえてくる。
もちろん、無尽蔵に国債を発行して何も影響がないというわけでもない。またの機会に別記事で説明するが、インフレの問題などがある。しかし、それは平時で気にする問題だ。
岸田氏は具体案、高市氏もPB黒字化凍結
岸田文雄氏は家賃支援給付金や持続化給付金の再支給や、困窮者への給付金などをいち早く訴えてきた。高市早苗氏も ❝引用「小規模事業者には、100万円と200万円の持続化給付金を再支給すること(減収要件を3割にする)」「生活困窮者に、特別定額給付金10万円を再支給すること」❞(一部抜粋:URL www.sanae.gr.jp/column_detail1335.html )などを菅政権に提言してきており、緊縮財政の脱却を訴えている。対する河野太郎氏は、菅義偉氏が支持していることからも分かるように”首相になっても菅政権とあまり変わらないのではないか”という国民、事業者の見方があり、各メディアの報道との温度差が大きい。
SNSのフォロワー数=支持は間違い
河野氏に至っては、たしかに”Twitter”のフォロワー数は多い。だが、あくまで1億2000万人の日本人のなかの僅か2%に過ぎず、これで人気だ、支持があるという見方は異常である。更に言えば、フォロワーは全員が日本人ではない上+全員が支持者ではないという点も注意が必要だ。河野太郎氏について批判しているわけではなく、このような一部のSNSのフォロワー数や、国民の数%に実施した世論調査などで、その人物を判断してはいけないということだ。具体的な政策などに目を向けて判断すべきだ。
現金での給付策は必須
どの人物が総理・総裁になるにしろ国民への現金給付や、業種や業態を問わない事業者への持続化給付金再支給、家賃支援金再支給などの最低限度の政策は早急に行わないと、国民・事業者支持は得られず、菅政権の繰り返しで短命に終わる可能性も高くなる。また、衆院選で予想外の大敗となることもある。
我々の見方では、岸田文雄氏または高市早苗氏が新総裁就任ならば、衆院選も楽に通過できると見る。河野太郎氏は、現時点での政策等を見る限りは自助に頼りがちで菅政権と大して変わり映えしないため想定以上に苦戦するかもしれない。野田聖子氏はまだ立候補間もないこともあってか、訴えが全体的に弱く二階幹事長の力を借りている点でも苦戦しそうだ。
あくまで、現時点での考察であり、今後、各候補が積極的かつ機動的な財政出動を約束し、更なる政策が出てくれば事態の変容も有り得る。とにかく、今国民や事業者が求めているのは、ワクチンの進展でもなんでもない。
声を聞く力と、思いを伝える姿勢と嫌な質問でも真摯に向き合って丁寧に答える総理大臣が求められる。そして、現金の給付。これがコロナ禍の日本に必要なトップ政策だ。 これらは常態化すべきではないが、現在はコロナ禍であり、早急に行うべき事案である。余計なスキームは省き、迅速に給付しなければ救えるものも救えない。もし、それで不正などが起きるのであれば後から摘発すればよい話だ。
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